◆毎日午後になるとあらわれる微熱とのぼせ 【78歳女性】


◆症状 

一年半前に農作業中に重度の火傷を負い、その頃からきまった時間になると微熱と頭ののぼせ感がでてくる。午後の2時半~5時くらいの間だけでそれ以外はない。同時に首元に悪寒を感じると言われ、夏場でも常にスカーフを巻いている。毎日午後になりのぼせ感が出ると思うと憂鬱になり精神的に不安定になっている。週に一回自宅から15分くらいかけて隣町にある漢方薬局にタクシーで往復し、かなり高額な薬を数種類飲んでいるが思ったほど変化がない。しかし、不安感が強く頼りどころがないのでしょうがなく続けているからどうにかしてくださいとのこと。

 

◆治療方針

 慢性微熱の治療は鍼灸の大家、長野先生曰く扁桃腺か瘀血(静脈系のうっ滞により正しく働かなくなった血)が原因となることが多いと書籍に書いております。

また、東洋医学の世界では毎回定時に起こる発熱のことを潮熱(ちょうねつ)と言います。

特に午後3時~5時までに起こる微熱の事を日哺潮熱(にっぽちょうねつ)といい、腹部膨満や大便の乾燥などを伴うものは胃腸の燥熱によるものと記載があります。そういったものを頭の隅に入れ腹診と脈診をしたところ、長野先生のおっしゃられる通り、おへその右側と左下に押したときに圧痛がありました。これはいわゆる扁桃腺と瘀血が悪いことを表しております。首の扁桃腺のツボにも大きな塊がありこれだっと確信しました。

 

①扁桃処置→肘周辺と首の側面の扁桃腺のツボに鍼と灸→慢性扁桃炎を鎮める

②副腎処置→足首周辺に鍼と灸→抗炎症作用(ステロイド分泌)&ステロイドにより精神安定作用や自律神経の安定を目標にした

③首肩がガチガチだったので手足にあるツボを手技にて刺激し体を楽にしてあげる

④瘀血処置→肘・足首周辺のツボに鍼と灸→静脈系のうっ滞を流す

 

※精神的に不安定であったり年齢的に高齢なこともあり刺激はかなり少なめにしました。

 

◆治療間隔と回数

・ 週に一回の施術を4回

→症状がかなり落ち着いてきたので10日に一回に変更し2回

→のぼせはほぼでなくなり月に一回メンテナンスで通うようになる

 

◆自宅灸

 自宅ではできないと言われました。

 

◆経過

 1年半続いた微熱が週一回の治療で2~3回で下がってきて、少しずつ間隔を伸ばしていっても再発はしませんでした。残りの数回は体がそんなに動いていなくてもきつく、すぐ横になりたくなるとのことでした。これは慢性扁桃炎の方に多くある症状の一つであるため、やはり扁桃腺を治療するためもう少し通っていただきました。

 

◆考察

 1年半前の火傷から始まったと言われていましたが、火傷がどう影響を及ぼしたのかは依然不明ですが、明らかに扁桃腺の影響がありました。ここを治療の第一目標にして施術したことが微熱の根絶できた鍵になったと思います。  

 


◆肺炎後に1ヶ月続いた慢性微熱 [35才男性]


 

◆症状

来院の一か月ほど前に肺炎により高熱が続き、抗生物質を服薬しやっとの思いで高熱は下がったが、その後一か月が経って病院から処方された薬を服用するが微熱が下がらない。 毎日午前中は36℃後半だが、仕事が終わる夜には37℃をこえて体がしんどい・・・とのこと。

 

◆治療方針

お腹やその他の触診の結果

慢性扁桃腺炎の所見とそれによる、瘀血(古い血)が原因で、微熱が発生したと判断

 

①慢性扁桃炎を鎮める(肘周辺のツボ)

②慢性扁桃腺により瘀血(生理的働きをしない古い血)を流す(足と手のツボ)

 

◆治療間隔と回数

●週に一回間隔で二回の鍼灸治療

●その他はご自身での自宅灸のみ一か月続けてくれました

 

◆自宅灸

こちらが指定したツボに自宅でお灸を1か月間すえていただくように指示しました。 この方はコツコツと真面目にお灸してくれました。

 

◆経過

まれに疲れがヒドイ時は体温が上がることもありましたが、日に日に微熱が下がっていきました。 この患者様は一年たった今現在、症状は全くでていないそうです。

 

◆考察

抗生物質は長期服用できないので、慢性に移行した場合、なかなか治療が困難のようです。 肺炎のような急性で重度の疾患は、西洋医学の得意分野でしょうが、長期にわたり体力消耗や免疫力をあげないと治りにくい慢性微熱などには東洋医学が得意とするところです。  

 

◆その他

また、当院では慢性微熱によく効く漢方薬も取り扱っており、併用することにより早期回復が期待できます!病院で治療していてなかなか治らない慢性微熱の患者様がおられましたら、一度東洋医学的な療法をお試しください!  

 

 


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